こたつ日和

徒然なるままに。雑記

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狂気はそこに ~「百舌鳥魔先生のアトリエ」

更新がんばりますと言っておいて、この体たらくです。ずいぶんサボってます。ちょっと周囲でいろいろあって、自分の健康などについても考えさせられることになった次第です。

で、ちょこちょこと呼んでいた本について更新しておこうと思います。

「百舌鳥魔先生のアトリエ」は小林泰三先生の短編集です。7つ短編が入っていて、そのうち2編が書下ろし。ぜいたく。
相変わらず、エグ味の効いたホラー。お約束のクトゥルー神話モチーフも網羅されているので、まったくもって抜かりなしな感じです。狂気、というものは、どこにでも転がっていて、当事者には境目が次第にあやふやになっていくもののようです。

「ショグゴス」…クトゥルー神話でおなじみ、ショゴスの絡む話。大統領が、「古のもの」に隷属する姿に対して憤りつつ、自分たちに隷属させている「ロボット」に対してはそれが当然だと疑ってすらいない。その根拠こそが滑稽ですらある。
「首なし」…首のないまま生き続けたといわれる鶏マイクの話が、もし人間に起こったら。都合の悪いことは何もない。彼女が愛しているのはいったい誰なのか。
「兆」…読んでいくと、次第に感じる違和感。気が付けば…
「朱雀の池」…守ろうとした。守れると思った。ただ、京都を愛していただけだったのに。
「密やかな趣味」…ええと…いくら発散されているといっても、こんなのが身近にいたら、怖すぎる…
「試作品三号」…ちょっとバトル漫画っぽい。一番気楽に読めた短編。
「百舌鳥魔先生のアトリエ」…妻が始めた習い事。次第に、強くのめりこんでいく妻。そのおぞましい「習い事」の内にはらむのは果たして「藝術」なのか。

腐肉の匂い、というか、その手のスプラッタ描写が多いので、お食事時は避けてください。

百舌鳥魔先生のアトリエ (角川ホラー文庫)百舌鳥魔先生のアトリエ (角川ホラー文庫)
(2014/01/25)
小林 泰三

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萌えかもね ~「一条怪聞録 ~摩楼館怪奇事件簿」

ということで続巻の感想です。

一条怪聞録 摩楼館怪奇事件簿 (竹書房文庫)一条怪聞録 摩楼館怪奇事件簿 (竹書房文庫)
(2013/02/15)
澤村 有希

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この巻では、摩楼館の正規オーナー・鳴海宗兵衛翁が登場。そして、深まる如月という美青年の謎。…BLになってきているような気がするんですけど。ほんわかですけど。多分、一条も如月も、あまりにBL的なテンプレートに収まるキャラでして…。なので、私は逆にBL好きな腐女子の方に、実話怪談に触れていただくチャンスなんじゃないかと!実はおもっておるのですがどうでしょう。どうでしょう?ダメですか?別に、一条と如月にBL的なアレコレが具体的にあるわけではないんですけども!後は腐女子的に脳内補完していただくということで!!…ハァハァ。
と、まあ、ちょっとちゃかしてしまってますが、あんまり創作部分で盛り上がってしまうと、実話怪談部分が印象に残らなくなってしまうおそれがあるようにも思います。バランスが難しいかもなぁ。
今回は実話怪談部分にサブタイトルなし。二話、三話が短い話の集大成。で、訳がわからないのが第四話。お母さんのこと、殺される夢、人殺しの目をした爺さん、三角が示すもの…。どれもが繋がらないのに、繋がっているような気がしてしまう…。

キャラの謎っぽいところも出てきたので、しっかりシリーズとして続けて欲しいですね。次が楽しみです。

今、「怪談コロシアム」を読んでます。

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新しい ~「絹更月怪異録 ~摩楼館怪奇事件簿」 

創作小説と実話怪談がうまくミックスしています。

絹更月怪異録  ~摩楼館怪奇事件簿~ (竹書房ホラー文庫)絹更月怪異録 ~摩楼館怪奇事件簿~ (竹書房ホラー文庫)
(2012/09/29)
澤村有希

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表紙がちょっと耽美な感じで、思わず「BLですか?」といいたくなってしまう感じですが、そんなことはありません(いや、若干、そういう雰囲気がないわけでもないような…どっちやねん)。ちゃんとした怪談本です。

九段下、レトロな雰囲気のカフェ「摩楼館」。その雇われ店主にして、謎めいた美青年・如月翔太郎と、常連客にしてフリーライター・一条明。一条はしばしば自分のモノ書き取材のためにこのカフェを利用している。その取材内容は「実話怪談」…

実話怪談部分は一条か如月が聞いたり語ったりするスタイル。各話を創作部分がつないでいく感じですすめられています。しかも、登場人物・如月にはちょっと妙な感じがあり、そのミステリアスさが程よい味わいです。今までの実話怪談のシリーズにはない構成なので、とても新鮮に楽しめました。あと、創作部分は美味しそうな珈琲やそのお供なんかが詳しく出ているので、私の食いしんぼマインドも刺激されます。
実話怪談部分はというと…
「暴力」も「草いきれ」も、関連すると思われる事象と怪異がどうつながっているのかわからないけれど、わからないからこそ、その怪異が起こることが怖いと思えます。
「夏の日」は短い怪談が集められています。祟るシヴァ像、とげ抜き地蔵に助けられたという謎の外国人、花火とともにきたもの、牛のような鉄の粒のもたらした恩恵、「見える」と自称する女の残したもの、無念をこびりつかせた薄汚れたジッポー。そして、最後の日航機墜落事故に纏わる無念(別に関係者がいた訳ではないのですが、私は日航機墜落事故の話に触れると涙腺が緩みます。ちょっとしたトラウマみたくなってるのかなぁ)。
「惑いの森」は、帰りたいと懇願する、この世のものではないものに囚われてしまった女性の話。
あまり類話のない実話怪談でなかなかよかったです。

続巻が出てましたので、そちらの感想もあげたいと思います。

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宗教画というものは ~「名画の謎 旧約・新約聖書編」

前の記事で、キリスト教関連のことにちょっと触れましたけど、「画」として見るのは好きですね。

中野京子と読み解く 名画の謎 旧約・新約聖書篇中野京子と読み解く 名画の謎 旧約・新約聖書篇
(2012/12/16)
中野 京子

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「怖い絵」の中野京子さんが、新約・旧約聖書に題材を得た名画を、聖書の順に則って説明しています。とりあえず、ざっと聖書の中身くらいは知っておくとわかりやすいかも。でも、わからなくても親切な中野先生が大体説明してくれますので無問題です。
まずは表紙にもなっているミケランジェロ=ブォナローティの「アダムの創造」。なんだかムキムキのアダムのちょっとしどけない姿が印象的ですが…それよりも、右側の神様を支えている翼のない天使の顔の位置が気になる…。本来、聖書ではアダムに命を吹き込んだのは鼻の穴だったのを、やっぱり芸術家の美的センスは許さなかったらしく、ふわりとのばしたアダムの指が、神の指と触れるか触れないか、という一瞬に変更。こういうちょっとした画家たちの工夫や意地やいたずら心が、さりげなく説明されていて面白いです。
義務教育過程で、どうしても触れることになる「名画」ですが、絵画的価値もさることながら、ちょっと視点が違う見方をしていける教え方をすればいいのにねぇ。そーゆーのが本来の「ゆとり」教育なんじゃないでしょうかねぇ。
そして、端的に話を知っているだけなら神に我が子を捧げようとする敬虔なるアブラハム…なんですが、この人、人間として、というか男としてどうかと思う…。奥さんをエジプト王の側室にぽいとあげちゃうって、なんなんだよ!!そんなアブラハムの「イサクの犠牲」のシーンは、レンブラントとカラヴァッジョの二人が、荘厳さと生々しさの対比で並んでいます。
有名な「サムソンとデリラ」は、話だけ聞いてるとどう考えたって稀代の悪女としか言いようがない「デリラ」ですが、ルーベンスの手による「サムソンとデリラ」にはただ悪女ではない「デリラ」が描かれています。
アルテミジア・ジェンティレスキの「ユーディトと侍女」は私は初めてみましたが、なんともかっこよくて一発で好きになった作品。とでも映画的、漫画的な、「瞬間」を切り取った感じです。…そりゃあ、ユーディトがいかつい感じですけど、ぎろりと遠くを睨みつける「目」の力強いこと!
ベラスケスの「キリストの磔刑」は、イエスのプロポーションの美しさが気になる。ほんとは磔刑というのは、ああいう風に十字架にかけるのではなく、自重で骨が折れ、呼吸がままならなくなり、それでも痛みと苦しさで失神すら許されず…という、非常に過酷な刑なんだそうです。でも、そういうものなど何もなく、ひたすらに美しい、ベラスケスの描く「磔刑」。
ティソは十字架の上のキリストの目線で描いているので、構図が面白い。

画家がどう描きたかったか、何をやらかしているのかなど、ただ絵を見に行っただけでは解らないところが説明されてて、楽しいです。

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欧米文化の基本ですかね。 ~「名画と読むイエス・キリストの物語」

読み終わってちょっと時間がたってしまいましたが…

名画と読むイエス・キリストの物語名画と読むイエス・キリストの物語
(2012/08/23)
中野 京子

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この間行きました、大エルミタージュ美術館展では音声ガイドの一部解説を書いたりもしていた中野京子女史の本です。ちょうどタイミング的にはよかったかもしれません。
ヨーロッパ・アメリカなどの歴史や美術、文化背景を語るには、外せないくらい大切なのがキリスト教なのですが、日本人はいろんな宗教を受け入れている(過去に迫害があったとしても現在は)せいか、逆に深くを知らなかったりします。キリストの生涯を大雑把には知っていても、取り巻く環境や人々を知らないと、欧米諸国で、何故こんなにもk「キリスト」の生涯に纏わる宗教画が、生き生きと描かれ続けたのか、理解しづらいように思います。もちろん、キリスト教というものが、全てにおいて優先されてきた時代背景があるのも確かですが、それだけでは、絵画に表現されるキリスト教…聖書の一場面などが、画家のインスピレーションを刺激することもなかったでしょう。…では、そのように表現されるキリストの生涯とは、なんぞや?
この本では、キリストの生涯はもちろんですが、その時代の周辺状況・取り巻く使徒を含む人々のことも触れています。私のなかでは、キリストというものはさほど神格化されていないので、中野氏の描くキリストが余りにも精神的に崇高であるきらいがありますが、使徒やマグダラのマリアなどに関する話は、ちょっと新鮮です。何故、彼らが絵画の中に描かれるのか。ホントフルストの「聖ペテロの否認」という絵では、聖別された使徒でありながら、イエスが捕まったときにその予言通りにイエスの弟子である事を三度否定した事を表現しています。そのペテロの表情が、なんとも人間らしい。認めれば殺されてしまう。その重圧に色を無くした人間くささが出ているようです。
宗教的制約ーーあれ書くな、これ書けーーみたいなものを遵守しているのに、同一のものとならないのは、それぞれの画家が「描きたかった」キリスト、というものがあるからでしょう。
基礎知識を得るために、読んでおくとタメになる一冊。できれば、「怖い絵」のシリーズみたいにもう少し絵画的説明があってもよかったように思います。

今は「おやすみ ブラックバード」を読んでいます。
やっぱしちょっと怪談・ホラー疲れしているようで、普通にフィクションな会話が読みたくなっているようです。
…ラノベって、先がわりと予想できちゃうんだけどね…

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