こたつ日和

徒然なるままに。雑記

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女の地獄は艶やかな闇

さすがにシーズンだけあって、読んでも読んでも終わらない怪談本発売ラッシュ。
でも、時々積読本が気になるわけです。

遊郭(さと)のはなし (幽ブックス)遊郭(さと)のはなし (幽ブックス)
(2008/05/14)
長島槇子

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吉原遊郭「百燈楼」で語られる七不思議。
「八幡の鏡」「鼠の道中」「遺手猫」……
中でも一番恐ろしいのは、拾えば命がないという「赤い櫛」。
噂を聞いた怪談好きの若旦那が、妓夫に誘われるままに入った妓楼の中で、
芸者やら太鼓持ちや遺手婆らの怪談を聞いてゆくうち……。


吉原遊郭というのは、いわずと知れた国家公認の娼婦の町でした。
艶やかで、華やかで、陰惨で、悲惨で…
かつて、「男の天国、女の地獄」と称された街。
女が堕ちていくのを、美しい紅白粉や鼈甲・珊瑚の飾り物で覆い隠していた街。
その一画、「百燈楼」では「赤い櫛」の怪談が語られています。その櫛は、絶対に拾ってはならないとされています。拾ったものは、命がない。犬猫以下の存在のように扱われた子供は、その櫛に魅入られたように「ああ嬉し」と自分の手にとって命を落としてしまいました。
そして、その櫛は、人をひきつけて、絡めとっていくのです。
読者は、主人公と一体となって、吉原の流儀に従って店に上がり、花魁を揚げる手順を踏みながら、怪談を聞いていきます。しかし、途中から自分は怪談を聞いているのか、怪談に入り込んでいるのか、だんだんとその境目がわからなくなっていきます。この段階を踏んだ感じが、あまりにも後戻りができなくなっていく感じがしてたまりません。途中で、シカケが解ってきてしまうのに、絡めとられてしまいたくなってしまいます。
女たちの地獄の表現も、容赦が無い。御職の花魁でいられる期間の短さ、いかに女を金でがんじがらめにしていくか、計算されたシステム、その中で、それでも、たとえ遊びでもいいから男にすがる女の悲しさが、語られる怪談の中に巧みに配置されています。
読み始めると止まらない、そんな話でした。

今年は「色町のはなし」が出たので、その前に、と思って読みましたが、他の怪談本を読み始めてしまいました。
今は「お前ら行くな 黄泉帰り編」を読んでます。変なモンが溜まりそうです。
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テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌

読んだ本~さ行 | コメント:4 | トラックバック:0 |
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