もっと上に ~「怪談実話コンテスト傑作選2 人影」2011-05-01 Sun 22:36
3日間ほど、友人Aさんが遊びにきてくれました。いつも遠路はるばるありがとう。
でも、とことんインドアなので、おこもり休日でした。映画観にいったけどね。 で、休日中に読んだ話をUp.
「幽」主催の怪談実話コンテストの優秀作の作品集。今回も大賞はでませんでした。 なんといっても「体験者」が確認できる、という縛りがあるのが厳しいところでしょうか。 ただ。 なんとも「読みにくかった」というのが一番の感想でした。 選評にもありましたが、肝心なキモの部分にたどり着くまでに、いろいろ説明が多い傾向があったりするので、読みづらさを感じてしまうことが多く、肝心のキモがあんまり怖くなくなってしまったりするのです。…難しい。自分は読み手専門なので、あんまりえらそうな注文するな、といわれればそれまでですが、怖い、を伝えるのは難しいことだなぁ、と実感。 「四白眼の女」…カレンダーは送られてきたんでしょうか?…ただのカレンダーのはずなのに… 「こどもがえり」…すでに、心は離れてしまっているかもしれないけれど。 「トキ」…タイトルからはいまひとつ内容が伝わらないのですが…。偶然、といってしまえばそれまで。 「葬儀は続く…」…因縁の出所と、それをもたらしているものは…。先祖(?)ですら止められないのが怖い。 「終の棲家」…お父さんが夢に出てくるところは、家との因果関係がわかりにくかったです。 「ある晴れた日に」…狸健在。この話好き。 「春風が吹く頃」…窓から落っこちかけたくらいなら、と思ったら…。ちょっとぞっとしました。 ちなみに、「ある晴れた日に」「春風が吹く頃」は同じ作家さんですが、行を空けるのが多くて、逆にテンポが悪くなったような印象も。特に、後者のオチ(といっていいのかな?)が利きにくいかも。 「坪塚」「雨靴を履いた女」…文章とか構成とかが一種独特で、これを味ととるか読みにくさととるか、とういところ。私は、途中で挟まれる因縁めいた話とかも、何故そこで挟まれるのかよくわからず、ひたすら理解し辛かったです。話の構成と言うか、時系列も、文章も、とても落ち着かない感じを与えます。そういう意味では、この作者が怖いです。 「山へと誘う人影」…ヒトの姿をしたものを崖下へ導くのはなんなのか? 「反転」…本人は、知らずにいられるでしょうか? 全体に長い話が多いのですが、もうちょっと内容を絞れないかな、という印象でした。正直、前回より読みにくい作品が多かった… 選評で評価の高かった「カベトラ」は、事実関係が確認できないのならば、案外学校怪談でありそうな話で、私はもうひとつでした。 最終候補作品が全部読んでみたかったです。 もうひとつ、「FKB話 饗宴」を読みましたので、こちらの感想も後日。 スポンサーサイト
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