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こたつ日和

徒然なるままに。雑記

もっと上に ~「怪談実話コンテスト傑作選2 人影」

3日間ほど、友人Aさんが遊びにきてくれました。いつも遠路はるばるありがとう。
でも、とことんインドアなので、おこもり休日でした。映画観にいったけどね。
で、休日中に読んだ話をUp.

怪談実話コンテスト傑作選2 人影 (MF文庫ダ・ヴィンチ)怪談実話コンテスト傑作選2 人影 (MF文庫ダ・ヴィンチ)
(2011/04/25)
加門七海、東雅夫、平山夢明、福澤徹三/編

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「幽」主催の怪談実話コンテストの優秀作の作品集。今回も大賞はでませんでした。
なんといっても「体験者」が確認できる、という縛りがあるのが厳しいところでしょうか。
ただ。
なんとも「読みにくかった」というのが一番の感想でした。
選評にもありましたが、肝心なキモの部分にたどり着くまでに、いろいろ説明が多い傾向があったりするので、読みづらさを感じてしまうことが多く、肝心のキモがあんまり怖くなくなってしまったりするのです。…難しい。自分は読み手専門なので、あんまりえらそうな注文するな、といわれればそれまでですが、怖い、を伝えるのは難しいことだなぁ、と実感。

「四白眼の女」…カレンダーは送られてきたんでしょうか?…ただのカレンダーのはずなのに…
「こどもがえり」…すでに、心は離れてしまっているかもしれないけれど。
「トキ」…タイトルからはいまひとつ内容が伝わらないのですが…。偶然、といってしまえばそれまで。
「葬儀は続く…」…因縁の出所と、それをもたらしているものは…。先祖(?)ですら止められないのが怖い。
「終の棲家」…お父さんが夢に出てくるところは、家との因果関係がわかりにくかったです。
「ある晴れた日に」…狸健在。この話好き。
「春風が吹く頃」…窓から落っこちかけたくらいなら、と思ったら…。ちょっとぞっとしました。
ちなみに、「ある晴れた日に」「春風が吹く頃」は同じ作家さんですが、行を空けるのが多くて、逆にテンポが悪くなったような印象も。特に、後者のオチ(といっていいのかな?)が利きにくいかも。
「坪塚」「雨靴を履いた女」…文章とか構成とかが一種独特で、これを味ととるか読みにくさととるか、とういところ。私は、途中で挟まれる因縁めいた話とかも、何故そこで挟まれるのかよくわからず、ひたすら理解し辛かったです。話の構成と言うか、時系列も、文章も、とても落ち着かない感じを与えます。そういう意味では、この作者が怖いです。
「山へと誘う人影」…ヒトの姿をしたものを崖下へ導くのはなんなのか?
「反転」…本人は、知らずにいられるでしょうか?

全体に長い話が多いのですが、もうちょっと内容を絞れないかな、という印象でした。正直、前回より読みにくい作品が多かった…
選評で評価の高かった「カベトラ」は、事実関係が確認できないのならば、案外学校怪談でありそうな話で、私はもうひとつでした。
最終候補作品が全部読んでみたかったです。

もうひとつ、「FKB話 饗宴」を読みましたので、こちらの感想も後日。
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