こたつ日和

徒然なるままに。雑記

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だが、それはユートピアではない。

ハーモニー (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)ハーモニー (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)
(2008/12)
伊藤 計劃

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なんとも歪んだ世界。そして、その世界は歪み続けて・・・調和する。
面白かった。なんとも後味の悪い読後感なのに、凄い話だった。
そして・・・この話を書いた作者の新作は、もう読めない。今年、亡くなられたそうだ。まだ、これからなのに。
体内を常時監視する医療分子により、病気はほぼ消滅し、人々が健康を第一とする価値観による社会を形成している。医療分子が完全に監視をしているので、もちろん病気の因子になるようなメタボリック・シンドロームなんて言葉は死語となっている。そして、人々は深い思いやりをもってお互いを気遣っている。しかし、その世界は、まだ歪んでいる。
主人公・トァンは、そんな世界にせめてもの抵抗を試みた・・・自殺という手段で。しかし、彼女は生き残ってしまった。彼女は「機構」の中で、喫煙をし、飲酒したりすることで、ささやかな抵抗を試みている。そして、それが非常にささやかなものであることも十分承知している。彼女もまた、歪んでいる。
そして、トァンが追う、かつて共に自殺を試みた中心人物、ミァハ。彼女は辛い体験を経て、この世界にやってきてしまった。彼女もまた、歪んでいる。
そして、「歪んでいる」ことは「不健康」であること。健康という価値観が全ての世界は、歪みを望まない。
この、世界観が凄く気持ちが悪い。
歪みを受け入れられないからこその、調和だ。
だが、全てが調和してしまったら、それは全ての「停滞」だ。それは、「破滅」だ。

どうしてだか、「天元突破グレンラガン」のアンチスパイラルみたいだな、とか思ってしまった。

この本は、etml.の1.2に準拠したテキスト形式で、そこに記載された「感情」を追体験できる・・・しかし、調和した世界の誰が、この本を、読んでくれるのだろうか。

前作「虐殺器官」も読んでみようかな、と思う作品。
しかし・・・このヒト、惜しいですね・・・

テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌

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