こたつ日和

徒然なるままに。雑記

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医療のあり方を考えろ

神様のカルテ神様のカルテ
(2009/08/27)
夏川 草介

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本屋大賞ノミネート作品だそうです。なんだか本屋さんに行くたびに、ポップが気になってしょうがなかったんですが、オビが…いろいろなイミで、奇蹟という言葉が苦手で。
ですが、中味は、「奇蹟」なんて都合のいい言葉では表現できないものでした。
北アルプスを望む「本庄病院」の消化器内科勤務医、栗原先生は愛読書が夏目漱石の「草枕」。暗誦するほど読み込んでいて、口調もちょっぴり時代がかっています。
本庄病院は「24時間、365日」が謳い文句の地方の基幹病院です。救急拒まず、医者は少なくて、40時間くらいぶっ続け勤務なんてザラ。昨今騒がれている「医師不足」などがしっかりこの病院にも巣食ってしまっているのです。
ただ、よくある医療モノのような感じではないです。
肝門部腫瘍末期の安曇さんへの大学病院の応対に栗原先生が内心で怒るシーンがあります。
 たったひとりの孤独な患者に、いきなり「好きなことをして過ごせ」といったのか。
 そういう大切な話をする時にこそ、時間をかけて関係を築かねばならぬのだ。初診の外来でいきなり、よりによって「半年で死ぬから今のうちに好きなことをしろ」とは・・・・・。

私も、自分の父が肺癌になったとき、内科から外科へ紹介されて、「手術なんて、できる段階じゃありません」といきなり言われたことを思い出してしまいました。父は落ち込み、家族は憤慨しました。今思い出しても辛かった気持ちが蘇ってきます。
ましてや身寄りの無い安曇さんの絶望はどれほどだったでしょう。でも、栗原先生はこういうのです。
 「次の外来はいつにしましょうか」
と。彼はそれを陳腐なと憤りますが、安曇さんは、そのひと言が欲しかったのです。
大学病院の抱える問題も、基幹病院が抱える問題も、この物語からはみえてきます。今のところ、現実にはそれを打開するに足る画期的な解決策は見えてきません。でも、こうやって足掻く医師は確かにいると思うのです。
また、どうしても最近は医者は患者を「診てやっている」、患者は「金を払っているんだから当然」というような、いささかビジネスライクに過ぎる関係が出てきているような気がします。(現場にいるからなおさらかもしれませんが)
でも、本来は、お互いがお互いを思いやりあって、良い方向に向かっていけるのが理想です。それが「病気を治して元気になる」方向でも、「病気とつきあって最期を迎える」でも、同じように思うのです。

医師のタマゴといわれる方々に、是非読んでいただきたい本ですね。

テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌

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