こたつ日和

徒然なるままに。雑記

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

スポンサー広告 |

いつか来る未来の通過儀礼 ~「シンギュラリティ・コンクェスト」

日本SF新人賞受賞作です。

シンギュラリティ・コンクェスト 女神の誓約 (徳間文庫)シンギュラリティ・コンクェスト 女神の誓約 (徳間文庫)
(2010/11/05)
山口優

商品詳細を見る

表紙カバーが紫色の宇宙で非常にきれいな感じ。イメージかな、と思ったら本当に、宇宙空間が紫色に見えるようになってしまった、未来の地球が舞台です。
見た目は、美しい紫色の宇宙。でも、常に見ていた闇色の宇宙が紫色に染まってしまって戻らないとしたら…
これは、相当に精神に影響を及ぼしそうです。
それだけでなく、その紫色の宇宙は物理的に自分達の生活を、自分達の宇宙を危うくしている。そんな時代。
対策を練らなければならないが、そもそもこの現象の原因がわからない。
その原因を探り、対処方法を寝るために人類は二つの方法を選択します。一つは、あくまで自分達の実験と実証とによって突破口を見出そうとする「ノア」派。もう一つは、人類よりもはるかに優れた人工知性を作り上げ、それによって現象を分析・解析していこうとする「エデン」派。さらにエデン派は、精神パラメータが固定され、感情を持たない人工知性「メサイア」と、精神パラメータがランダムに変動し、感情を持つ人工精神「アマテラス」こと天夢(アム)に分かれました。
そう、これは人工精神アマテラスの成長物語です。
これらの状況が人間をシンギュラリティ、技術的特異点に導いていこうとします。
さて、人類よりも優れた人工知能は人類を支配しようとするか、否か。
どうも、進化した人工知能の叛乱、というと「2001年宇宙の旅」のHAL3000(だったっけ?)を思い出してしまいます。あ、「ターミネーター」もそういうコンセプトだったかな?この舞台となる地球でも、それをシンギュラリティの結果として起こることとして恐れています。
天夢は最初は居丈高な美少女です。しかし、人間が与えた筐体に納められた彼女は経験を積み、より複雑な感情を得るようになります。中盤以降の天夢はなかなかのツンデレっぷりを発揮してくれています。いや、非常に硬派なSFなんですけどね。人類を大切に思い始めた彼女の素振りと、比類なき人工精神としての高潔な彼女の素振りがもう立派にツンデレです。
私としては、天夢にあった人間全てが彼女に基本的には好意を抱いてしまうのが不思議ではありますが…まあ、優れた技術の結晶というものはそういうものなんでしょうか。うーん、そんなことを考える私はノア派かな?
しかし、そんな風に成長して行く天夢を受け入れたことこそ、人類がシンギュラリティ・コンクェスト(記述的特異点の克服)へ至るべき入り口に到達した、ということでしょうか。
残念なのは、最初に結構インパクトのある過去を披露してくれたもう一人のヒロイン、リヴカが、中盤以降やや影の薄い存在になってしまったこと。せっかくなので、もっと活躍して欲しかった。彼女の右手のエピソードは、人工精神の力がなくても、人類同士も互いに広く理解しあえる…そんな可能性を示しているようです。

なかなか内容は硬派で、正統派のSFです。ギミックとか、SF理論とかも満載で、そっちも面白いです。そういうところがはっきりくっきりしているので、SFとしての世界観がしっかりしてます。もちろん、読むヒトが読めば、思う所はあるのかもしれませんが、そもそも紫色の宇宙の存在を納得させてしまったあたりで、すでに作者の思う壺にハマっちゃった感じでした。
次回作にも期待できそうです。

SF新人賞といえば「樹環惑星」も購入しましたよ。そっちを読もうかな、とも思ったんですが、連続で物理化学系の用語が並ぶSFを読むとダレてしまいそうなんで、先に加門七海「もののけ物語」を読もうとおもっています。これも楽しみにしてたから早く読めそう。本屋に行ったら「女たちの百物語」も出てたんで、そろそろbk1から届くかな?せっかく予約したから、早く読みたいんだけど。

先日の非常に私事な記事にも拍手いただきまして、ありがとうございます。
部屋の掃除ですが、自分ペースで無理しないで進めることに致しました。毎日ちょこちょこっと不要な本(これの選抜が非常に困難なんですが)を進めて、あとは、年末大掃除に賭ける!!
…できるんかな…
これについては、12月の終わりくらいに成功を報告できるといいんですが。

テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌

読んだ本~さ行 | コメント:0 | トラックバック:0 |
<<ここにもそこにも ~「もののけ物語」 | HOME | 拍手ありがとうございました。>>

この記事のコメント

コメントの投稿















コメント非公開の場合はチェック

この記事のトラックバック

| HOME |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。