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触れ合うSF ~「青い星まで飛んでいけ」2011-04-04 Mon 23:30
実家に帰ってきました。
なんかいろいろ発覚してびっくりしましたが、ゆっくり本を読む時間が取れた里帰りは久しぶり。 1時間くらいかけて近所の散歩にも行きました。遊び場だった堤防が修繕・補強工事されてて、昔、台風が来るたびに父が土嚢を積みに行った水門がなくなっていました。・・・時の流れを感じるなぁ。
6つの短編からなる作品集です。私はこのヒトの作品は短編しか読んでませんが、結構好きです。 この作品集は「何か」が触れ合う作品です。それは、ヒトとヒトであったり、異種族間であったりしますが、なんだかちょっと救われた感じの話であるように思います。もちろん、ジャンルはSFなんで、非常に特殊な状況での「ふれあい」です。触れ合い、生み出される「絆」の形もさまざまです。 「都市彗星のサエ」…バラマンディという彗星に人類が移り住み、さらに世代が重なって、彼らはバラマンディの環境に適応しています。そんなバラマンディイで出会ったサエとジョージィ。重力とコストという二つの壁が、サエとジョージィの前に立ちはだかっています。「ここから出て行きたい!!」そう望む二人の望みが、小さくて壮大な、冒険の序章でした。…サエが食事をするシーンなどは、違う環境・違う星をきちんと見せてくれます。 「グラスハートが割れないように」…恋人・時果が胸の中に暖め、育てている「グラスハート」という植物。ヒトの思いを受けて育つというそれを、時果は信じきっているが…。明らかな「まがい物」を信じていると思っても、信じる思いの強さを知っていれば、その反動が怖い。でも、自分の想いが、まがい物を信じる心に勝っているのか…。ガラスのようにもろい心が壊れてしまわないように、でも、さらに強くなってくれるように…。 「静寂に満ちていく潮」…自分とは全く異なる進化を遂げた、高度知的生命体と出会ったら。そして、本当に理解しあいたいと思ったら。主人公・テミスのとった行動は…。言葉を尽くし、知恵を尽くしてなお、解りあいたいと望むのならば。 「占職術師の希望」…他人の「天職」がわかってしまうという能力を持つ男が主人公です。しかし、彼は自分が「無能」であると思っています。…天職って…むごいなぁ。 「守るべき肌」…人間が、集積回路の中の情報生命体となって1000年が過ぎた。そこに突然現れた少女は、助けを求めてきます。彼女の求めた手助けとは・・・。・・・一応、ハッピーエンド、といいたいんですが、なんとなく、この未来、先が見えてるような気がします。 「青い星まで飛んでいけ」…表題作。異種生命体とのコンタクトが根本にありながら、そのことにおびえている「エクス」という機械生命体(群体みたいですが)の長い旅路。「エクス」の下位機械群の会話がマンガ「攻殻機動隊」のフチコマみたいでかわいい。そして、エクスの持つ「恐れ」の根本にあるのは・・・。切ないけど、「エクス」のような自立機械生命の「融合したい」と思った相手に全てをゆだねる、というのが、とてもいじらしいです。 好きなのは「都市彗星のサエ」「静寂に満ちていく潮」「青い星まで飛んでいけ」です。 SFって、幅が広い。 もう1冊の感想は後日。今は「ハンター・ダーク」を読んでいます。 |
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