こたつ日和

徒然なるままに。雑記

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境界のものが守る世界 ~「虚構推理 鋼人七瀬」

都市伝説が実体化するとき、境界が侵される。

虚構推理 鋼人七瀬 (講談社ノベルス)虚構推理 鋼人七瀬 (講談社ノベルス)
(2011/05/10)
城平 京

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岩永琴子は、11歳のときあやかしのものに乞われ、右目・左足を捧げてあやかしのものの知恵の神となった。
桜川九郎は、11歳のとき祖母の企みで、くだんと人魚の肉を喰い、不死身の身体と未来を掴み取る能力を持った。
そして、岩永は九郎とであった。
あやかし共の調停役の岩永は、真倉坂市に新たに現れた怪異「鋼人七瀬」をなんとかしてほしいとあやかしから依頼を受ける。そこには、九郎のかつての恋人・紗希が警察官として働いていた。また、あやかしからみれば不気味な異形の九郎も、別の目的で「鋼人七瀬」と戦っていた。

一眼一足の神となった岩永ですが、あやかしの協力を得られる以外は、自分の能力で問題を解決しなければいけません。こういう話だと、あやかしの特殊能力を使いたい放題だったりしますが、ここでのあやかしは臆病で、そんなおっかない能力はみせません。人の世の狭間で、ひっそり生きている感じです。なので、岩永は自分の「頭」で自分の持っているものを計算して戦わなければなりません。
一方の九郎はくだんの能力で未来を決定する能力を持ちますが、その能力を発揮するためには一度死ななければならず、人魚の不死身の能力によって、ある程度確率の高い未来を掴んでよみがえる、という非常に使い勝手の悪い能力です。
でも、こういう万能ではないところが面白い感じです。あんまり何でも出来てしまっては、面白くないですもんね。
また、九郎の元恋人・紗希もまた、とても人間的です。しかも、恋人・九郎の特異性に気づいて、まだ好きなのに受け入れることができなくなった、というのは、なんとも当たり前の話。
ネットの世界で望まれ、徐々に凶悪さを増していく「鋼人七瀬」。この、「想像上の怪物」を生み出したものがあり、それを承知で、自らの知恵を駆使して彼女を消滅せしめるための戦いが始まります。
このあたり、なんとなく「京極堂」のシリーズを髣髴とさせる論理の展開が行われるのですが、そのアプローチの方法も圧巻です。事件の謎を、嘘と虚構で再構築し、人々に受け入れられやすい解釈を与えて、人々の興味を逆に削いでしまう。その巧みさ。都市伝説に妥当な解釈が与えられるとき、その都市伝説ははびこるための力を失ってしまいます。この辺りが非常に面白いです。
じつは、まだ肝心な人は逃げ延びていますので、続編ありかと思います。

あまり期待しないで読み始めたので、案外よかったです。続編希望。

今月末は怪談が豊作。
今、「放課後怪談部」を読み始めました。

テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌

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