こたつ日和

徒然なるままに。雑記

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ゲームは知らなくてもイケる! 〜「盤上の夜」

最近、更新をすっかりサボっておりました。もうちょっとがんばって更新しようと思ってたんですが…。自堕落にすぎる。でも入れ替える魂もそろそろ底をついていそうなんで、大目にみてやってくださいませ(笑)

で、久々に面白かったSF。

盤上の夜 (創元日本SF叢書)盤上の夜 (創元日本SF叢書)
(2012/03/22)
宮内 悠介

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盤上・卓上で展開される、遊戯(ゲーム)は深く、広く、果てがない。6つの世界が語られ、そして、広がる盤上遊戯は、新しい奇跡を生み出す。

作者・宮内悠介氏のdビュー作。表題作は第一回創元SF短編賞・山田正紀賞をとり、さらにこの本は「SFが読みたい 2013」で国内編では2位を受賞しました。で、こーゆーものは、ちょっと眉にツバしつつ、「あんまり面白くないんでしょ?」と少々ヒネくれた視点で読み始める事が多かったんです。最近そんなんばっか読んでたんで。
でも、これは面白かった!!正直、ナメでました!!
囲碁・チェッカー・麻雀・古代チェス・将棋、そして物語は集約しながら再び囲碁の世界へ。もちろん、それぞれのゲームの知識があればより面白いのでしょうが、なくても大丈夫です。それは、ゲームの「手」とかが絡むのではなく、そのゲームを通して語られているのは、あくまで物語だから。

「盤上の夜」…表題作。四肢を失った若き上流棋士・由宇と、彼女を支えた棋士・相田。由宇は失った四肢の代わりに、碁盤を感覚器としていく。「いたい」「痒い」…しかし、感覚は有限で、囲碁の手は無限だ。次第に、彼女は破綻していく。 囲碁、というと「ヒカルの碁」くらいしかわかりませんが、その盤上で戦うものは孤独でありながら、いつか出会うのです。
「人間の王」…私はこの話が一番好きです。実在したマリオン・ティンズリーという人物を話の軸に据え、人間に挑んだ機械と、その予想外の決着についての話。ゲームはチェッカー。ティンズリーを非常によく知る人物へのインタビューの形式をとりつつ、実は…という展開が効いています。できたら、ティンズリーについてもちょっと調べてみてください。…かっこいいんですよ。
「清められた卓」…これは麻雀。あまりに異様な、それゆえ、なかったことにされてしまった「第九回白鳳位戦」。それはどんな戦いだったのかを、ひとりのジャーナリストが追う。
「象を飛ばした王子」…古代チェス・チャトランガ。それを思いついてしまった王子・ラーフラ。彼はブッダの息子であった。大国により、風前の灯火のようなコーサラの国で、彼は悩み、惑い続けます。しかし、ラーフラの考えたゲームに対するツッコミがみんな同じとは…。
「千年の虚空」…ゲームは将棋。葦原兄弟と織部綾。3人の奇妙な、それでいて濃厚な生活から、全ては始まる。兄弟の全てを掌握した「魔性」の女、綾。兄・一郎は量子コンピューターを駆使した「量子歴史学」により、この世というゲームを殺すゲームを行おうとし、弟・恭二は統合失調症を患いながら、将棋というゲームで神を再構成しようとした。個人的に、「量子歴史学」という発想がツボでした。
「原爆の局」…かつて、ヒロシマに原爆が投下された日、棋士は囲碁を戦っていた。物語は収束する。由宇と相田のその後。棋士は、高みを目指す。それを支配しているのは…。

ヒトは何処に「神」をみているのだろうかなぁ、とちょっぴり考える短篇集。テンポがいいので、飽きもこないし、しっかり読ませてくれます。いいSFだった!

テーマ:読んだ本 - ジャンル:本・雑誌

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