こたつ日和

徒然なるままに。雑記

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引き込まれた! ~「GENE MAPPER ーfuii buildー」

遺伝子というミクロな世界からの引っ張り具合が心地よかった、どきどきするSF。

Gene Mapper -full build- (ハヤカワ文庫JA)Gene Mapper -full build- (ハヤカワ文庫JA)
(2013/04/30)
藤井 太洋

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前回書いた「デスダイバー」から、連続でSFです。同じように「拡張現実」というバーチャルな世界が定着している世界なのですが、こちらはそれに「無理」がない。「攻殻機動隊2」に荒巻と秘書がお互い全然別のこと(秘書なんかトイレの最中)をしているのにアバターで会話しているシーンがありますが、そういうようなものでしょうか。お互いの拡張現実を有効にするのにサインがあったり、という細かい設定もおもしろい。
で、お話。

拡張現実が広く世界に浸透し、フルスクラッチで遺伝子設計された蒸留作物が食卓の主役である近未来。遺伝子デザイナーの林田は、L&B社のエージェント黒川から自分が遺伝子設計した稲が遺伝子崩壊した可能性があるとの連絡を受け原因究明にあたる。ハッカーのキタムラの協力を得た林田は、黒川と共に稲の謎を追うためホーチミンを目指すがーーー

もともとは個人出版の電子書籍だったそうですが、Best of Kindleの本2012の第1位だそうです。さもありなん。ハヤカワ文庫版は、それを再構成しているそうです。
で、これが、最初にも言ったとおり…面白いのですよ。
遺伝子崩壊を起こしたとみられるサンプルから検出される異常な容量のデータ。そして旧来型の「稲」の遺伝子。それらを付き合わせていくために、既に放棄された「インターネット」の情報を手に入れる必要があり、そのためにハッカー・キタムラの協力を取り付ける林田。この流れがきちんとしているので、まず話の芯が骨太な感じになります。
しかも、拡張現実でしか会っていなかった黒川の本当の容姿を知り、その異様さが彼への疑いを強めていく中盤。そこに、遺伝子崩壊事件は、どうもそれだけではないようだということが絡んで、ぐいっと引き込まれていきます。
さらに、もう一つの遺伝子データが、もっとマクロな世界の危険を生み出していく終盤まで。
でも、この話は人類の所業に対する単なる否定や悲観ではなく、それでも人類の良心を信じる、またが信じようとする希望がみえる終わりです。乗り越えられると信じている終わり方です。
私個人としては、蛍光グリーンの葉っぱの稲なんか食べたくないなぁというのが本音ですが、旧来型と言われる自然種の稲が生き抜けなくなっているので、それはやむを得ないのでしょう。また、衛生硬度からみえる「宣伝」の為に作物でロゴを書く、というのもちょっと理解しがたいものはあるのですが、そういう世界と思ってしまえるようにもっていかれるのが凄いです。
話のキーパーソンとなる黒川の生い立ちなどは、遺伝子操作の世界の持つ、自分の考える危険性などがきちんと反映されているのも満足かな。(症状の出現などについてはまぁ多少の無茶があるような気がしますがね)

読みやすくて解りやすいSFだと思います。
オススメですね。

テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌

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